問題32

地域包括ケアシステムに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

高齢者を対象としているため,障害者や子どもについては対象として想定されていない。

団塊の世代が 75 歳となる 2025 年を目途に,専ら認知症高齢者に対する在宅医療システムの充実を目指している。

地域包括ケアの概念は,「医療介護総合確保推進法」における介護保険法改正(平成 27 年 4 月施行)において,初めて法的根拠が与えられた。

自助,互助,共助,公助から構成されるが,公助を中心としたシステム構築が必要であるとされている。

住まい・医療・介護・予防・生活支援が地域の特性に応じて,一体的に提供されるシステムの構築を目指している。

    (注)「医療介護総合確保推進法」とは,「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」のことである。


→正解はココをクリック←

問題33

地域福祉にかかわるイギリスの歴史に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

チャルマーズ(Chalmers, T.)による隣友運動(1819 年)では,貧困家庭への訪問活動が行われ,救貧法の改正に大きな影響を与えた。

ロンドンで設立された慈善組織協会(1869 年)は,慈善活動を組織化するとともに友愛訪問を実施し,ソーシャルワークの形成に大きな影響を与えた。

ロンドンの富裕地域に設立されたトインビーホール(1884 年)は,セツルメントの拠点として,富裕層による慈善活動を喚起する役割を担った。

「べヴァリッジ報告」(1942 年)は,社会保障制度の基礎となるとともに,地方自治体におけるパーソナル・ソーシャル・サービスを中心とした組織改革をもたらした。

イギリス政府の病院計画(1962 年)では,10 年間で知的障害者の入所施設の利用者数をほぼ半数に減らし,コミュニティケアを推進する政策を打ち出した。


→正解はココをクリック←

問題34

事例を読んで、A福祉活動専門員の取り組みとして、適切なものを2つ選びなさい。

[事 例]

N市の人口は,約 5 万人であり,市内には, 8 小学校と 3 中学校がある。

地域福祉活動計画の策定委員会において,地域福祉活動には大人だけでなく小・中学生の参加も得るべきではないかという意見が出された。

そこで,計画策定業務を担当する社会福祉協議会のA福祉活動専門員は対応策を検討することにした。

全小・中学校を対象に実施するのは困難だと考え,知り合いの子どもを集めて懇談会を開催することにした。

子どもの意見を計画に反映させるには無理があるので,まずは各校のPTAの役員会に出席し,保護者の意見を聴取することにした。

教育委員会に説明し,校長の同意を得て,各校で子ども懇談会の開催について案内してもらうとともに,社協の広報紙でも参加者を募集した。

子ども懇談会では,あらかじめ論点の優先順位を決定し,計画の構成に即して話し合ってもらうことにした。

子ども懇談会では,子どもの意見を聞くだけでなく,計画の実現のための活動につなげていけるようにすることが重要である。


→正解はココをクリック←

問題35

事例を読んで、B社会福祉士のとるべき活動として次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

[事 例]

P市地域包括支援センターには,市内の居宅介護支援事業所の介護支援専門員から,「介護保険制度の利用のために高齢者宅を訪問すると,長年ひきこもっている成人の子どもが同居しているケースが少なくない」という相談がしばしば寄せられていた。

そこでB社会福祉士は,ひきこもりのケースについて改めて対応策を検討してみることにした。

これまでに同様の相談をもちかけてきた介護支援専門員から,個々の状況について改めて事情を聞き,課題を集約し,検討してみることにした。

ひきこもりのケースだといっても,本人たちから相談が寄せられているわけではないので,虐待など緊急性が高い場合に限定して対応策を検討することにした。

ひきこもりのケースの対応については,保健師による対応が適切だと考え,同じ職場内の保健師に検討をゆだねることにした。

ひきこもりの人たちが参加しやすいような居場所づくりの可能性について,当事者の組織化も含めて社会福祉協議会と検討してみることにした。

生活困窮者自立支援法(平成 27 年 4 月施行)の対象になることも考慮し,市の担当課に検討をゆだねることにした。


→正解はココをクリック←

問題36

地域福祉の担い手や組織に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

民生委員は,担当区域内のすべての住民について,その生活状態を把握しておくこととされている。

「福祉サービス第三者評価基準ガイドライン」では評価対象の一つに「地域との交流,地域貢献」が挙げられており,地域住民や関係機関による評価委員会の設置が例示されている。

内閣府によると,特定非営利活動法人のうち,活動の種類として定款に「保健,医療又は福祉の増進を図る活動」を掲げるものは,全体の過半数を占める。

「『絆』と社会サービスに関する調査」では,満 20 歳から 59 歳までの人のうち,自治会や町内会に「参加したいと思わない」と答えた人の割合は,ボランティア・NPOに「参加したいと思わない」と答えた人の割合よりも多いという結果が示された。

社会福祉法には,都道府県地域福祉支援計画の策定について,住民の意見を反映させるための措置に関する規定は設けられていない。

    (注)1 「福祉サービス第三者評価基準ガイドライン」とは,「『福祉サービス第三者評価事業に関する指針について』の全部改正について」(平成 26 年 4 月 1 日厚生労働省雇用均等・児童家庭局長,社会・援護局長,老健局長通知)の(別添 3 )のことである。


    2 「『絆』と社会サービスに関する調査」とは,「『絆』と社会サービスに関する調査結果の概要」(平成 26 年 3 月 31 日(内閣府))に調査結果を発表したものである。


→正解はココをクリック←

問題37

地域福祉のネットワーク推進に関する各種報告書や白書の記述として,正しいものを 1 つ選びなさい。

「地域福祉のコーディネーター」は,専門家や事業者,ボランティア等との連携を図るため,自治体職員が務めるものである(「地域福祉のあり方研究会報告書」より)。

サービス拒否や引きこもり,多問題世帯に対しては,「寄り添い型支援」を行う人員配置が必要である(「社協・生活支援活動強化方針」より)。

地域包括ケアのコーディネート役は,住民の中から育成すべきである(「地域包括ケア研究会報告書」より)。

平成 26 年 3 月現在での認知症サポーターの数は,女性より男性が多い(「特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク報告書」より)。

自殺予防における「ゲートキーパー」は,周りの人の異変に気づき,行動する人のことであり,弁護士,司法書士,薬剤師などの専門職に限られる(「平成 25 年版自殺対策白書」(内閣府)より)。

    (注)1 「地域福祉のあり方研究会報告書」とは,「地域における『新たな支え合い』を求めて-住民と行政の協働による新しい福祉-」(平成 20 年,これからの地域福祉のあり方に関する研究会)のことである。


    2 「社協・生活支援活動強化方針」とは,「社協・生活支援活動強化方針-地域における深刻な生活課題の解決や孤立防止に向けた社協活動の方向性-」(平成24 年全国社会福祉協議会)のことである。


    3 「地域包括ケア研究会報告書」とは,「地域包括ケア研究会報告書~今後の検討のための論点整理~」(平成 21 年 5 月 22 日厚生労働省公表)のことである。


    4 「特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク報告書」とは,「地域で認知症の人とその家族を支援し,見守る体制を強化するための効果的な支援に関する調査研究事業報告書」(平成 26 年 3 月特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク)のことである。




→正解はココをクリック←

問題38

地域で活動する組織に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

町内会は,収益事業を実施することはできない。

老人クラブは,教養講座やレクリエーション活動以外の活動も実施することができる。

社会福祉法人は,社会福祉事業以外の事業を実施することに制約はない。

消費生活協同組合は,地域福祉活動を実施することができない。

社会福祉法では,第二種社会福祉事業は,国,地方公共団体又は社会福祉法人が経営することを原則としている。


→正解はココをクリック←

問題39

地域における福祉ニーズの質的な把握方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

福祉ニーズの多様性を把握するには,半構造化面接よりも構造化面接の方が適している。

グループインタビューは,対象者の考えが他の参加者の意見に左右されるため,個別ニーズ把握が難しく,避けた方がよい。

個別インタビューは,自宅などの日常生活空間ではなく,静穏な環境である面接室などの方が必要な情報が得られやすい。

個別インタビューの録音は,対象者の抵抗感や警戒感を招くため避けるべきである。

住民懇談会は平日だけではなく,日曜・祝日にも開催するなどして,多くの住民の参加を得て福祉ニーズを集約する。


→正解はココをクリック←

問題40

ボランティア活動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

社会福祉法では,市町村社会福祉協議会はボランティアコーディネーターを配置する義務があるとされている。

「ボランティア活動の中長期的な振興方策について(意見具申)」では,ボランティア活動の基盤整備のための公費使用は,ボランティア活動の自主性を妨げるとされている。

中間支援組織としてのボランティアセンターの運営主体は,社会福祉協議会,NPOといった民間非営利組織に限定されている。

社会福祉法第 4 条にいう「社会福祉に関する活動を行う者」には,ボランティア等が想定されている。

ボランティアコーディネーターは,ボランティア活動者の自主性を妨げないようにするため,プログラムの企画や開発を行ってはならない。


→正解はココをクリック←

問題41

地域住民の福祉ニーズと社会資源の関係調整についての歴史的な変遷に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

高齢者サービス調整チームは,いわゆる福祉関係八法改正(1990 年(平成 2 年))の時期に,市町村社会福祉協議会に設置することが提示された。

契約締結審査会は,介護保険法施行の前年(1999 年(平成 11 年))より地域福祉権利擁護事業(現在の日常生活自立支援事業)を実施するに当たり,基幹的社会福祉協議会に設置された。

地域ケア会議は,介護保険の導入に合わせて,基幹型在宅介護支援センターに設置することが位置づけられた。

運営推進会議は,介護保険法改正(2005 年(平成 17 年))に地域密着型サービスが創設されたことに伴い,市町村に設置することが義務づけられた。

地域包括支援センター運営協議会は,介護保険法改正(2005 年(平成 17 年))により,福祉ニーズを把握するために現場で実務を担っている介護支援専門員により構成されるようになった。


→正解はココをクリック←

試験結果・正答と学校別合格率

社団法人日本社会福祉士養成校協会(社養協)/JASCSW ※PDFファイル

試験結果・正答

http://www.jascsw.jp/TEST/26th_happyou/26th_goukakuhappyou.pdf

学校別合格率

http://www.jascsw.jp/TEST/26th_happyou/26th_goukakuhappyou.pdf