問題 84

2007年(平成19年)改正の統計法に定められた基幹統計及び基幹統計調査に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)は,基幹統計を作成するための重要な調査の一つである。

基幹統計調査である国民生活基礎調査は,3年ごとに大規模な調査を行い,中間の各年に簡易な調査が行われる。

基幹統計は,社会の発展を支える重要な情報基盤として位置づけられており,インターネットによる公表は想定されていない。

国勢統計と国民経済計算以外の基幹統計は,行政機関が作成する公的統計の中から総務大臣が指定する。

基幹統計のために収集された個々の調査票情報は,個人情報保護の観点からも,その二次利用は禁止されている。


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問題 85

社会調査における個人情報保護に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

個人情報の保護は,調査に直接かかわりのない第三者に対しての個人情報の漏えいに注意することなので,共同研究者への個人情報の秘匿は考えなくてもよい。

調査に使用した調査原票は,社会的にも貴重な文書であるので,集計・分析等が終了した後個人情報を削除し,データアーカイブスに登録することを義務づけられている。

インフォームドコンセント(説明と同意)を求めるかどうかは,調査者の判断にゆだねられる。

調査の依頼文書を作成する際には,依頼者側の個人情報保護の観点からも,電話番号や電子メールのアドレスは掲載してはいけない。

調査データを事例として公表する場合,その事例が特定されるおそれがある場合は,例えば,実際の年齢ではなく「前期高齢者」などと記述するのが望ましい。


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問題 86

質問紙を用いる調査方法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

訪問面接法,留置法,郵送法,電話法を自記式か他記式かに着目して分類すると,訪問面接法と電話法が他記式であり 留置法と郵送法が自記式である。

犯罪や性行動など,多くの調査対象者が自分からは答えたがらない質問内容については,郵送法よりは調査員が訪問して質問する訪問面接法の方が適している。

訪問面接法では,調査員と調査対象者が面接することになるが,両者の関係によって回答結果が影響を受けることはない。

他記式に比べて自記式は,社会的に望ましい内容に同調する回答の選択肢を選びがちになる。

留置法では,調査票回収時に調査員が,本当に調査対象者が回答を記入したかどうかのチェックをしてはいけない。


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問題87

質問紙作成の注意点に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

「喫煙や飲酒を毎日しますか?(はい/いいえ)」のように,なるべく2つの事柄を1つの質問で尋ねるのが効率的である。

「増税すると福祉予算が増えますが,あなたは消費税率の引上げに賛成ですか」のように,回答者がよりよく考えて回答できるように質問に説明を含めるのが望ましい。

「あなたは年金支給開始年齢の引上げに賛成ですか」と聞く代わりに,「賛成ですか,反対ですか」と聞くと,表現が簡潔でなくなるので望ましくない。

「個人の自由に最大限の配慮をしないケアは認められないという考えに反対する立場に,あなたは賛成ですか,反対ですか」という質問は,否定が重なり好ましくない。

質問する順番によって回答が変わることがあるので,回答してほしい選択肢が選ばれやすくなるような順番に配列するのが望ましい。


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問題 88

事例を読んで,調査結果の読み方に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Y市社会福祉協議会に勤めるK社会福祉士は,「いきいきサロン」を利用している高齢者100人へのアンケートで,日頃どのようなスポーツを行っているのかを尋ね,100人すべてから有効回答を得た。

選択肢として,(a)ウォーキング,(b)水泳,(c)テニス,(d)その他のスポーツの4つを用意して,普段行っているものにすべて○を付けてもらった。

○の数の集計結果は,(a)30,(b)15,(c)10,(d)25となった。

この結果について,K社会福祉士は次のように考えた。

ここから,100人中80人は普段何らかのスポーツを行っていると分かる。

スポーツを行っている人に限ると,(c)のテニスをする人は8分の1である。

この100人の中で,普段何もスポーツを行っていない人は少なくとも20人いて,もっと多い可能性もある。

卓球は明記されていないので,実際はウォーキングより多かったかもしれない。

(d)その他のスポーツに○を付けた25人のうち,ゲートボールをする人が15人いた場合には,エアロビクスをする人は10人以下になる。


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問題 89

社会調査における面接法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

非構造化面接では,対象者に自由に回答してもらうことになるので,調査内容に精通していない調査員を採用して,面接を実施してもらうのがよい。

半構造化面接では,インタビューのおおむね半分程度の時間を,質問内容や質問の順番などが詳細に決められた質問紙によって面接が進められる。

面接における会話を録音できない場合には,正確な面接記録を作成するために,面接時はできるだけ会話の書き取りを優先しなければならない。

非構造化や半構造化で行われることが多いフォーカスグループインタビューでも,質問内容や討議のルールなどを示したインタビューガイドを準備する方がよい。

面接法では,対象者との聞に十分な信頼関係を築くことが重要であり,いわゆるオーバーラポールの状態を目指すのがよい。


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問題 90

質的調査データの整理と分析に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

インタビュー記録やフィールドノーツを1行ずつ読み込みながら,思いつくままにコードを書き込んでいくことをプリコーデイングという。

研究がある程度進展した段階で,比較的少数の概念的カテゴリーにコードを割り振っていくことをオープン・コーデイングという。

インタビュー等において対象者が使っている言葉をそのままコードとして用いることをインビボ・コーデイングという。

グラウンデッド・セオリー・アプローチにおいてデータの分析を行う際には,事前に設定した仮説や既存の理論に沿って進めることが重要である。

量的調査データの分析とは異なり,質的調査データにはコンピューターを使った分析はなじまない。


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試験結果・正答と学校別合格率

社団法人日本社会福祉士養成校協会(社養協)/JASCSW

※PDFファイル
http://www.jascsw.jp/TEST/26th_happyou/26th_goukakuhappyou.pdf