問題 98

ソーシャルワークが対象としている「人と環境との関係」に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

リッチモンド(Richmond, M.)は,人々と資源システムとの連結や相互作用としてとらえた。

パールマン(Perlman, H.)は,人と環境及び両者の相互作用の連関性としてとらえた。

ホリス(Hollis, F.)は,他の相互作用によって影響を受けた累積的相互作用としてとらえた。

バートレット(Bartlett, H.)は,人々が試みる対処と環境からの要求との間で保たれる均衡関係としてとらえた。

ジャーメイン(Germain, C.)は,社会生活の基本的要求を充足するために,社会成員が社会制度との間に取り結ぶ関係としてとらえた。


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問題 99

事例を読んで,J相談員が介入したレベルとして,適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
大学で障害のある学生の修学支援を担当するJ相談員(社会福祉士)は,重度の身体障害のある学生Kさん(18 歳,女性)の学内支援を調整している。

Kさんから多目的トイレ内に手すりを増設してほしいという希望が出された。

そこでJ相談員は,所属する部署の上司と相談し,Kさんが属する学部からの要請を依頼するとともに,関係部署と交渉した。

その結果,増設工事についての了承を得ることができた。

ミクロレベル

メゾレベル

サブレベル

マクロレベル

エクソレベル


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問題 100

相談援助のアプローチに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

フェミニストアプローチは,女性にとっての差別や抑圧などの社会的な現実を顕在化させ,個人のエンパワメントと社会的抑圧の根絶を目指す。

解決志向アプローチは,ソーシャルワークを問題解決の過程としてとらえ,クライエント自らが問題を解決することを目指す。

行動変容アプローチは,役割理論を導入したもので,条件反射の消去あるいは強化により,特定の問題行動の変容を図る。

課題中心アプローチは,短期間の援助を目指したもので,他のソーシャルワークアプローチの影響を受けていない。

心理社会的アプローチは,精神分析理論を導入したもので,人は意志を持っていると考え,意志の力を活用した援助を行う。


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問題 101

相談援助における心理社会的アプローチに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

『コモン・ヒューマン・ニーズ』の著者トール(Towle, C.)の流れを受けている。

ランク(Rank, O.)により提唱された自我理論を基盤としている。

課題解決に向けた支援に消極的な人に適用可能なアプローチである。

実践における時間的制約や即効性についての期待に応えることができる。

心理社会的問題を抱えている人を対象として,援助期間や時間を取り決めて援助する。


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問題 102

相談援助における危機介入アプローチに関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

教育分野から導入されたアプローチであり,早期介入の重要性を強調している。

柔軟なアプローチであり,適用となる対象は特に設定していない。

感情的に混乱状態にあるクライエントに対し,その社会的機能の回復に焦点を当てた対応を行う。

危機的状況にある人たちが生活している地域社会に対して,適用される。

生活上の深刻な問題に対処するため,長期処遇の方法として理論化されている。


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問題 103

事例を読んで,L家庭支援専門相談員が活用するアセスメントツールとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
Mさん(28 歳)は, 2 年前に離婚し,実家とも絶縁状態となった。また,Mさんは,長期の入院治療が必要となったことから,娘( 4 歳)を児童養護施設に入所させた。

1 年後,Mさんは退院し職場に復帰した。
その後,実家との関係も改善し,同僚や同世代の近隣住民との付き合いも増えてきた。Mさんは娘を引き取りたいと,数日前,L家庭支援専門相談員に相談に来た。

L家庭支援専門相談員は,Mさんを支援するためには,離婚した夫,近隣住民,施設などの社会資源との関係を把握することが必要と考えた。

ジェノグラム

インターライ方式

エコマップ

ソシオグラム

PIE(Person-in-Environment)


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問題 104

事例を読んで,A相談支援員がとるべき支援として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

〔事 例〕
N市の基幹相談支援センターのA相談支援員(社会福祉士)は,知的障害のあるBさん(50 歳,女性)の支援を 1 年前から担当している。

母親(78 歳)が認知症のために指定介護老人福祉施設に入所することになったため,Bさんは一人暮らしとなった。

これがきっかけで不安感が強くなり,叔父に頻繁に電話をかけている。
最近,A相談支援員は,市内にあるグループホームが新たに入居者を募集すると聞いたので,Bさんと叔父にこの情報を提供した。

叔父は入居を勧めているが,Bさんは不安を感じている。

Bさんと叔父に,自分たちで話し合って決定するように言う。

早くしないと入居の機会を逃すので,叔父に申込みを促す。

Bさんのグループホーム見学を予約する。

Bさんが叔父に頼っているので,これ以上の介入はせずに様子を見守る。

Bさんの状況を再度アセスメントしてニーズを確認する。


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問題 105

ソーシャルワークの援助関係に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

ソーシャルワーカーは,クライエントの権利を守るために,権威的な関係の構築と保持に努めなければならない。

ソーシャルワーカーは,クライエントの反社会的な行動についても受容しなければならない。

ソーシャルワーカーは,初回面接時ではなく,具体的な援助が進んだ段階でラポールの形成を意識する。

ソーシャルワーカーは,クライエントの秘密を保持しなければならないので,生活歴に関する情報はいかなる場合も他機関に提供できない。

援助関係においてクライエントを共感的に理解するために,ソーシャルワーカー自身の価値観の特徴を知ることは大切である。


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問題 106

事例を読んで,C医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕
C医療ソーシャルワーカーは,X病院に一人だけの医療ソーシャルワーカーとして採用された 1 年目のワーカーである。

末期がんの告知を受けて入院している身寄りのないDさん(70 歳,男性)の相談に入院当初から親身になって応じ,休日にも様子を見に来るなどしていた。

このたび,長期の休暇を取得しようと考えているが,休暇中にDさんの病状が急変した場合のことがになり,休暇を取りやめるべきかどうかと考え始めた。

Dさんに自分の携帯電話の番号を告げ,直接連絡が取れるようにして休む。

Dさんに事情を率直に話して一緒に考えてもらい,Dさんの意思を尊重する。

Dさんの病状急変時のワーカー業務について,あらかじめ看護師長らと相談する。

Dさんには,休暇を取りやめ自分がずっと支援すると言って安心してもらう。

個人的熱意でかかわり過ぎる自分の行動傾向を内省し,Dさんとの関係を見直す。


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問題 107

相談援助の面接場面で活用する専門的な応答技法の説明に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

相手の発言をそのままの表現で言い返す技法を「閉じられた質問」という。

相手の発言の情緒的な面を言葉にして返す技法を「言い換え」という。

うなずいたり相手の話を促す技法を「明確化」という。

相手の発言内容に対して援助者側の解釈を加えて応答する技法を「要約」という。

私はこう思いますと援助者を主語にした言い方をする技法を「アイメッセージ」という。


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問題 108

事例を読んで,E児童福祉司(社会福祉士)による個別性を重視した対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
F子(10 歳)は,児童相談所で一時保護を受け,三日後に児童養護施設への入所を控えている。

E児童福祉司が,本人の準備状況を確認するために面接をしたところ,「転校はしたくない。だから施設には行きたくない」と言われた。

「転校は初めてだったね。今の気持ちを詳しく聞かせてくれるかな」と率直な気持ちを尋ねる。

「この前の話し合いでF子ちゃんも一緒に決めたことだよね」と施設入所に関する本人の同意を再確認する。

「学校での悩みごとも,今度行く施設ではちゃんと相談にのってくれるよ」と施設の支援体制を伝える。

「施設に行く前に転校を気にする子は多いけど,行ってみると慣れるものだよ」と心配を和らげる。

「転校は私も経験したけど,新しい友達もきっとできるから心配するほどじゃないよ」と前向きなとらえ方を示す。


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問題 109

ケアマネジメントの過程でケアマネジャーが行うことに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

ケアマネジメントは,ケアマネジャーが利用者からの訴えに基づいて地域ネットワークを構築するところから始まる。

アセスメントでは,様々な生活課題の中でケアマネジメントが対応すべきものを仕分けるスクリーニングを行う。

ケアプランにおけるサービス選択では,ケアマネジャーによる専門的な判断を優先する。

ケアプランの実施に当たっては,サービスやサポートの提供主体と利用者の間に入って調整を行う。

モニタリングとは,現行のケアプランで対応できない利用者を他機関に送致することである。


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問題 110

事例を読んで,G社会福祉士と民生委員が行った活動が果たした機能として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
地域包括支援センターのG社会福祉士は,「足腰が弱ってきて買い物にも行きづらいけれど,他人に助けてもらうのは気が進まない」とサービス利用を拒否する一人暮らしのHさん(83 歳)に対して,何度も訪問し,Hさんのことを心配しているという姿勢を示し続けた。

その結果,Hさんは要介護認定を受け,訪問介護サービスの利用に至った。

この体験から地域の民生委員と協力して,地域にはHさんのような人がまだいるのではないかと調べた。

その過程で,似たような思いからサービスを利用していない人がたくさんいることが分かった。

ニーズの掘り起こし

情報開示

新規資源の開発

直接サービスの提供

アフターケア


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問題 111

事例を読んで,地域包括支援センターのJ社会福祉士の対応に関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕
一人暮らしのKさん(75 歳,女性)は,最近,自宅にこもりがちの様子である。

心配した民生委員とKさんの顔見知りである隣人が,地域包括支援センターに相談してきた。

J社会福祉士がその二人とともに訪問すると,室内には空になった弁当などはあるものの,食事を作っている様子はなかった。

受診やサービス利用を勧めてみたが,Kさんは,「一人で大丈夫だからサービスは必要ない」と言った。

Kさんの意思を尊重し, 1 か月後に再訪問すると告げて辞去した。

状態が変化した場合に備えて,民生委員と協力して見守りを続けるようにした。

適切に食事をとれるように,配食サービスの利用手続きをした。

隣人とともに会食サービスに行ってみることを提案した。

健康状態を確認するために,病院に行くよう強く説得した。


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問題 112

近親者を亡くした人たちのグループを支援する社会福祉士が,グループを相互援助システムとなるように支援するための働きかけに関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

メンバーが最終的に,「大切な人を失った私たちは,みんな同じ痛みを抱えている」という波長合わせができるように援助していく。

メンバーが最終的に,自分たちが直面している喪失と悲嘆の問題について,同じ痛みを抱きつつも,それぞれに事情が異なり,抱く感情も異なるという意識がもてるように援助していく。

メンバーが最終的に,それぞれが抱えている「あのとき,どうしていればよかったのか。何ができたのだろうか」という過去の行動に焦点を当てて,メンバー間の人間関係を深めていけるように援助していく。

メンバーが最終的に,それぞれが自身の感じている痛みを語り,互いにそれを受け止めて受容的にかかわることができるように援助していく。

メンバーが最終的に,グループワークの中で生まれてきた役割やリーダーシップ,フォロワーシップを大切にし,最初に現れたリーダーを核にしたグループになるように援助していく。


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問題 113

自助グループに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

自助グループの特質は,同様の生活課題をもつ人が集まり相互に助け合うところにあり,行政への要求運動に発展することはない。

自助グループは,専門職や専門機関の援助を継続的に受けることで成り立ち,同じ問題を抱えた人が,グループの力を使って問題解決を図るものである。

自助グループの活動は,グループワーカーとメンバーの関係,プログラム活動及び社会資源の三要素を使って展開される。

自助グループは,メンバー間の対等な相互支援関係があることでメンバーの自己肯定感を高めるなどの機能がある。

自助グループでは,ヘルパー・セラピー原則が起こらないように注意する必要がある。


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問題 114

事例を読んで,スーパーバイザーが対処するに当たって,優先すべき機能として,より適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕
Mさんは,難病の症状悪化のため入院中である。早期の退院を望んでいるが,主治医は入院治療を継続する予定だという。

担当のAソーシャルワーカー(社会福祉士)は,家に残してきた幼い子どもが心配でたまらないというMさんの気持ちに共感し,自宅療養の可能性を探ることを院内カンファレンスで提案した。

ところが,医療スタッフと激しく対立したままカンファレンスは終わり,Aソーシャルワーカーはオフィスに戻ってきて医療スタッフを感情的に批判している。

また,スーパーバイザーの元には,Mさんの主治医からAソーシャルワーカーに対するクレームが寄せられた。

開発的機能

教育的機能

媒介的機能

支持的機能

管理的機能


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問題 115

相談援助の記録に関する次の記述のうち,適切なものを 1 つ選びなさい。

クライエントから要求があった場合には,内容にかかわらず開示する。

記号や図は使用せずに文章で表現する。

自組織内の情報共有のため,プライバシー保護よりも閲覧のしやすさを優先した保管管理を行う。

開示のルールについて組織内外に表明をしておくことが必要である。

客観性を保つために,ケース担当者一人が記述したものを正式な記録として扱う必要がある。


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問題 116

民間の福祉・介護サービス事業者による個人情報の扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

契約時に親族から「本人のことはなんでも教えてほしい」と要望があった場合,利用者本人の同意が得られていないと,なんでも情報提供できるわけではないと伝える。

家族による高齢者虐待の疑いがあると市から情報の照会を受けた場合,利用者本人に情報提供の可否を常に確認しなければならない。

利用者本人からケース記録の開示の請求があった場合,開示を求める理由を尋ねて,その理由が判然としない場合はケース記録の開示は見合わせる。

事業者が扱う個人情報の第三者提供に関する説明と利用者からの同意を得る手続きは,相談援助の最初ではなく,信頼関係が構築されたのちに行う。

利用者の法定代理人から個人情報の開示請求があった場合,開示請求は本人でなければできないので,本人から請求してもらうように説明する。


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問題 117

事例を読んで,B社会福祉士の助言として,適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
病院の医療相談室の主任を務めるB社会福祉士は,後輩のC社会福祉士から実践事例を研究会で発表するためのアドバイスを求められた。

C社会福祉士は,退院後の独居生活に強い不安を抱く入院患者のDさんと一緒にエコマップを描くことで,Dさんの不安を軽減させ,Dさん自身が退院後の生活を前向きにとらえることができるようになった実践事例をまとめようとしていた。

事例は匿名化すれば,Dさんからの了承は得ずに事例研究を行ってもよい。

この研究は質的研究なので,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて効果測定のための考察をする。

この質的研究では,不安がなぜ,どのように軽減したのか,そのプロセスを丁寧に考察する。

一事例の事例研究ではエビデンスにならないので,研究デザインを量的研究に変更する。

この研究は事例を使った質的研究なので,単一事例実験計画法を用いてDさんとC社会福祉士の援助関係を深く考察することが有効である。


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問題 118

事例を読んで,E母子支援員(社会福祉士)の対応として,適切なものを2 つ選びなさい。

〔事 例〕
母子生活支援施設のE母子支援員は,夫からの暴力(DV)の被害を受けていたFさんと子ども( 4 歳)の支援に当たっている。

Fさんの離婚が成立し,仕事も安定して続けられる状況になったため,退所の時期が検討されることになった。

ある日,Fさんは退所後の安全や自立への不安をE母子支援員に訴えた。

Fさんは,夫に対する恐怖や葛藤から孤独な思いを抱えていたが,これまで言い出せないでいたということであった。

E母子支援員は,このFさんの訴えを踏まえ,退所に向けて社会資源利用の支援を行うこととした。

支援計画はフォーマルな社会資源の範囲で作成する。

DV被害者の自助グループを紹介して,一緒に見学に行く。

配偶者暴力相談支援センターや地域の警察に協力を求める。

生い立ちなどできる限り詳しい情報を,子どもが通所する予定の保育所職員に伝えて,生活の見守りを求める。

Fさんの職場に状況を伝えて協力を求め,母子生活支援施設からの支援を引き継いでもらうように依頼する。


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試験結果・正答と学校別合格率

社団法人日本社会福祉士養成校協会(社養協)/JASCSW ※PDFファイル

試験結果・正答

http://www.jascsw.jp/TEST/26th_happyou/26th_goukakuhappyou.pdf

学校別合格率

http://www.jascsw.jp/TEST/26th_happyou/26th_goukakuhappyou.pdf